家づくりコラム
【暮らしの悩みに応えるデザイン】
どうなる?建築市場の未来。
数年前から、建築資材の高騰と共に、流通する不動産不足と土地の値上がりが加速し続け、家を建てたいというお客様にとっては先行き不透明な状況が続いてきました。
あれよあれよと値上がりしていく土地の価格を見て、資金計画もすませて土地を探していたけれど、予測していた予算との大きい乖離に「今家を建てるのは得策ではない?」と、家づくりの活動を休止するケースもあるといいます。建築市場未来は、どうなるのでしょうか。不安を抱えている方のために、業界から見る今後の予想と家づくりについて、考えてみたいと思います。
土地の価格の予測。
北海道住宅新聞(23年6月25日発行)によると、まだまだ札幌圏での土地不足が顕著であり、価格も上昇しているとあります。
毎年発表される地価公示、今年は住宅地の上昇率1位から10位を北海道が独占しました。エスコンフィールドが完成した北広島で地価が大きく上昇したというニュースはまだ記憶に新しいですね。
しかしながら不動産業界の人からは、今年の春くらいから土地の価格もようやく少し落ち着いてきたのでは、という話を耳にもします。以前の相場との差額が大き過ぎることが原因で土地がここ数年売れなくなっていたため、価格を少し下げてでも売却を希望する売り主が増えたためでしょう。また、”こんなに高いと売れないだろう”と出し控えていた土地が、今後少しずつ出てくる可能性はあります。
シノザキでもお客様が希望するエリアの土地物件情報を不動産会社さんから送ってもらっています。
3年ほど前から、ごく最近まではほとんど売り物件がなかったエリアでも、情報が少し増えてきました。物価やエネルギー価格も値上がりしているなかで土地価格も上昇し、「持ち家は夢」とあきらめる方もいらっしゃるかもしれません。しかし建築会社としてはプロとして、夢を叶える方法をいっしょに考えていきたいので、あきらめる前にぜひご相談いただきたいと思います。
建築費用の予測。
次は建築費用についてです。一度値上がりしてしまった建材が、今後価格が下がっていくことはあまり考えられません。数年前とは事情が変わってしまいました。値上げ率は概ね10%~20%ほどですが、商品によっては短期間で再値上げの通知が来る例もあります。すると工務店が業者さんからとった見積が着工前と工事後では差額が生じるケースが多く発生。この状況に翻弄された会社も多かったのでは、と推測されます。
この事態に対処すべく、住宅会社として何ができるかを、考えました。
シノザキの家づくりの基本的な考え方である、以下の4つの家の性能は、今後も維持していくべきだと考えています。
北海道の冬を快適に暮らしていくために。
北国の厳しい冬を、100後も快適に暮らしていくためには、今建てる住宅に、以下の性能が必要であると考えています。
① UA値は0.2~0.22の高断熱
UA値とは、外皮平均熱還流率のこと。熱の損失(断熱性能)を数値で示したもので、数値が小さいほど、高断熱ということになります。北海道の基準では、0.22以下は高レベルに該当します。
② C値は0.3以下が目安の高気密
C値とは、気密性のこと。家の1㎡当たりに存在する隙間の面積を表す数値のことで、数値が低いほど、高気密であるということになります。北海道の基準では、0.5以下は高レベルでに該当します。
③ 耐震等級3を標準化
耐震等級とは、地震に対する建物の強度を示す指標の一つで、1~3等級に分けられ、耐震等級3が最高レベルです。
④ 長期優良住宅の認定
長期優良住宅とは、国が定めた基準をクリアし認定を受けた、長期にわたり優良な状態で使用するための措置を講じられた住宅のことです。
シノザキでは創業当時より、長期優良住宅と省令準耐火建築を標準化してきました。もちろん、建築費用を下げる目的ならば、ここまで高性能の家にせず、落としていく方法はあります。しかし、住んでからのランニングコストが安く、エネルギーを無駄遣いしない家を、やはりおすすめしたいというのがシノザキ建築事務所の考えです。
建築時にはイニシャルコストしか見えませんが、建築後10年20年単位でかかるメンテナンスコストやランニングコストも併せて考えなくてはなりません。また、人が一生を過ごす住まいこそ長い目で見て、メンテナンスを行いながら100年以上快適に過ごせるよう、配慮すべきではないかと考えます。人がたいせつに住む家は、住む人のしあわせに役立つ家になってくれるものだと思います。
シノザキの家づくりについて、その流れについて、詳しくはこちらもご覧ください。