子育てとこだわりを
両立する住まい

Kさま邸_2017年竣工

2017年に完成した、Kさま邸。当初はご夫婦ふたり暮らしでしたが、そのうちお子さまが生まれて3名のにぎやかな住まいになりました。

しかしながら、「こそだて」と「こだわり」は、みごとに両立。そのひみつは、無理なく自然に生活のメリハリやルールができる、暮らしに即して計画したゾーニングにあります。鍵をにぎるのは、家の真ん中にある大きな階段でした。(以下、ご夫婦談)

 

階段は、家族の間をつなぐ空間。

 

こだわりのひとつは、この階段です。子どもが大きくなっても、帰ってきたらリビングを通って2階にあがらせたいという希望がありました。間取りを考えたとき、家の真ん中に階段があるといいな、と伝えると、では階段を大きくして、それ以外の用途にも使えるようなものにしましょう、と提案をしてもらいました。

実際に住んでみると、階段が家の真ん中にあると、家族の行動がいつもさりげなく把握できていて、よりつながりを感じます。階段は、独立した空間同士をつなぐ役割を担っているように感じます。

また、上り下りの役割以外にも、座る場所になったり、好きなものを飾ったりもできます。階段って、ほんとうに様々な使い方ができます。

当時は夫婦ふたりでしたが、子どもができれば階段はきっと遊び場になるはず。ならば、キッチンから階段までを見渡せるといいですよね。そんな話をしたところ、キッチンのガラス越しにぐるっと、ダイニングからリビング、階段までを見渡せるよう、提案していただきました。

 

家のデザインが、
暮らしのリズムをつくる。

ここに住んで3〜4年経って1人目の子どもができました。当初、2人での生活をイメージして建てましたから、子どもを想定していませんでした。かといって、不便なことが今起こってるかというと、そうでもありません。

たとえば夜はご飯を食べて、ちょっと遊んで、お風呂入りに行こう、といって階段を上がります。2階にはお風呂と寝室があります。つまり2階に上がれば、就寝準備です。家の中心にある階段が、このリズムをつくるよう設計されていると思います。

ときに子どもが「もっと遊びたい」となれば、2階に上がるまで時間がかかることはありますが、2階に行ってしまえば朝まで降りてはきません。また、朝起きたら、おはよう、といって階段を降りてきます。そうしようと決めたわけではなく、みんなが自然とそうなりました。思い描いた生活が、実現できている実感があります。

 

インテリアや素材感など、
デザイン性に、しっくりきて。

予算の範囲の中で、なるべくナチュラルなものを使いたいという希望がありました。でも天然素材の使用を勧めてくれたのはシノザキさんが唯一で、それが基本でもあるということでした。

じつは最初、たくさんのハウスメーカーのモデルハウスを見に行きました。でもシノザキさんの家は、無垢材と塗り壁の存在感が圧倒的に他とは違っていました。どの家を見せてもらっても住みたいと思う家で、インテリアや素材感、全体的な雰囲気など、わたしたちにはとてもしっくりきたのです。ずっと住んでゆく家だからこそ、自分たちの好きな世界観を大切に住み続けていきたい。後になって、もっといい家になったかもしれない、と思うのは嫌でした。

 

一日の生活を、図面上で
プロトタイピング。

生活空間のつくり方は特徴的で、シノザキさんにお願いした決め手になったと思います。
ヒアリングをして、どんな生活をしていきたいか聞いてもらったら、その希望がしっかりと図面化されてきます。なるほど、前回お伝えしたことに、こういう提案で応えてくれるんだってわかるのです。それがいちばんでしたね。シノザキさんの手を借りて、これからの暮らしの計画をデザインしていく。これが理想的な家づくりなんだと思いました。

印象的だったのは、間取りのプランを考えるとき。引っ越す前から持っていた家財道具も含めて考える場面でした。びっくりしたのは、一日の生活をその図面の中でシミュレーションするんです。生活の時間を順に追いながら、使い勝手がよく、ロスのないよう、空間に対して既存の家具や道具、造作する家具の配置を決めていきます。一般的なメーカーですと、多くの生活者のパターンに住む人が合わせる、という提案がほとんどです。でもシノザキさんは、こちらが意識していないような行動まで確認しながら、図面上でシミュレーションしていきます。ですから、わたしたちが暮らしの中でどんな行動をするかが、デザイン要素になっています。なので今、家の中で使わない部分がありません。無駄のない家だなって思いますし、間取りとしてこうすればよかったって思うことが、今まで一度もありません。

唯一、子どもがまだ歩けない頃、抱っこして2階にあがるとき、スイッチの場所がもう一箇所にもあったらよかったな、と思ったことはありました。ライトの切り替え方を工夫すると解決できたので、結果的には問題にはなりませんでしたが、早く相談していたらよかったかもしれませんね。

あとは、他の会社だと設計の方と営業の方がいますね。シノザキさんだと、社長が直接判断して、すぐに答えが返ってくるというコミュニケーションの取り方がよかったですし、大工さんとのリレーションもよくて。シノザキさんの大工さんは、すごくデザインのことについて詳しいんですよね。たまに大工さんが社長に「ここはこうした方がいい」と言っていることもあって、設計者と職人さんの距離が近いという点でも、信頼できると思います。

 

 

小物で家の雰囲気をつくる。
好きなものを揃える楽しみ。

家の向きと、窓の大きさや色などがよく計算されていて、カーテンを開けたまま開放的に暮らしていても、プライバシーは確保されている安心感があります。

あとは長く住み続けられるように、シンプルであることにはこだわりました。その分、小物で家の雰囲気を変えられるように、棚をたくさんつくってもらいました。見学会で、まさ子さん(シノザキのインテリア・コーディネーター)に、どこで買ったものか聞いたり、紹介してもらったりして、好きなものを揃えていくのが楽しかったですね。

たとえば家に入ったら、まず正面にストーブが見えると、ほっとしますよね。そういった感覚的なところでも、シノザキさんとは意見が一致することが多かったと思います。しかもペレットストーブ1台で、2階の隅々まで寒くないんです。炎が見えるのも、うれしい。

一度室内があたたまると長い時間、温度がキープされています。夏も冷房をゆるくつけたままにしておいた方が、省エネですし、経済的にもいいと思います。

構造とか家の性能については、詳しく説明を受け、札幌でもっとも高い住宅性能を標準で提供していると聞きました。でも正直、構造のことはよくわかりませんでした。住んでみて、やはり快適ですし、悩むようなところはありません。ということは、機能性が高い証拠ですね。初期投資としては、高くつくかもしれませんが、家族が安心して永く暮らせるよう、家にはできる限りのことをしておいた方がいいと思います。

Kさま邸のギャラリーページは、こちら。

おうちの写真をたくさん紹介しています。ぜひごらんください。

一覧に戻る
お問い合わせはこちら