家づくりコラム

【住宅図面の見方】人がすれ違う通路の幅は十分?
後悔しない家づくりの寸法とは。

「ストレスのない、快適な住まいをつくりたい。」そう思うのは、あたりまえですよね。建築会社から上がってきた図面は、はたして家族がのびのびと暮らせる空間になっているのか…。見分けがつかないという声を多く聞きます。

前回の記事「【住宅図面の見方】失敗しない家づくりのコツは、人が歩く幅にあり。」では、キッチンに必要な通路の幅についてお伝えしました。今回は、キッチン以外の場所で、チェックしたいポイントを解説します。

 

人がすれ違う「通路」に必要な幅は、最低78cm。

 

 

この図面をご覧ください。

キッチンからダイニングへの通路幅は、

通路の有効寸法 364cm(壁の芯々)- 13cm(壁厚)- 270cm(キッチンサイズ)- 2cm(タイルなどの余裕寸法)= 79cm を確保できています。

 

今回の78cmという寸法は、「人がすれ違う通路」であるということです。これに当てはまるのは、ほかに階段幅、廊下幅などがあります。

前回の「人が歩くときに必要な幅は、最低52cm × 2人分 = 104cm」と何が違うのかというと、キッチンの場合は2人が同時に同じ場所にいて、行ったり来たりして作業していることが多い場所であるのに対して、たとえばキッチンとダイニングの間を、常に2人が行ったり来たりしているというのは、考えにくいですよね。ですから、人がすれ違うときに必要な幅を、最低でも78cmとっておけばOKなのです。

 

最低でも78cmということですから、広い分には問題ありません。それでもほどほどのスペースであることが快適につながります。少し大きな家であれば、90~104cmほどの幅がとれると、ゆったりとした感じになります。家族が多い、予算に余裕があるといった場合は、人がすれ違う通路については1mほどの幅を確保できれば、ゆとりが出て使い勝手も良いと覚えておきましょう。

 

家具から考える、通路の寸法。

図面の2階をみると、ベッドと整理タンスの間は人がすれ違う可能性がありますから78cm確保し、さらに掛布団がかかる際の厚みを考慮して15cmプラスしています。一方ベッドの横は、人がすれ違うことはあまりありませんよね。だから1人が歩くのに必要な幅52cmをとっています。

 

また和洋タンスについては、タンスの扉を開いたときの寸法に52cmをプラスすれば、和洋タンスの扉をあけたままにして、ウォークインクローゼットに行く場合もスムーズです。

家具を置いたときの暮らしのシーンを想像して、使いやすいかどうか考えてみることが、後悔しない家づくりのためには重要です。

 

■あなたにもチェックできるプロの設計ポイント

「置く(予定も含めた)家具から考える。その上で、人が通る寸法を常に確保して、ちょうどいい空間をつくる」

 

 

※人がすれ違う幅・最低78cmは、多くの人が当てはまる標準的な寸法です。体の大きさによって寸法が異なりますのでご注意ください。

 

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