家づくりコラム

【いい家は美しい】
知っておきたい、外観デザインの法則。

あなたがこれから家を建てるなら、できればセンスのいいデザインで、満足できるものの方がいいですよね。外観もよくあるタイプだとつまらないし、かといって奇抜なデザインだと後で後悔しそうです。では、美しい家を手に入れるためには、どうすればいいのでしょうか。

 

美しさには、法則がある。

なにを基準にして、美しい家と呼ぶか。まずは、以下の5つの法則を知っておくことが重要です。

 

【外観デザイン5つの法則】

①「黄金比」 = 1:1.618

②左右対称の法則

③3つ以上の同じものを規則正しく並べる

④直線を強調する

⑤ワンポイントアクセント

 

家はプランによって、おおよその形が決まってきます。いいプランであり、すぐれた機能性をもつ家には、おのずといくつかの法則が外観に現れます。①と②は、まさにプランのよさが現れた結果とも言えます。どちらかにあてはまっている家は、多くの人が「美しい」と感じるでしょう。

①や②のような美しい基本形を成したうえで、③〜⑤のような意匠を凝らすことによって、外観に個性が生まれます。この個性こそが、愛着につながるのです。たとえば繊細であったり、やさしい雰囲気だったり、周囲に自然と溶け込むような配慮があったり、シャープなイメージを強調するなど、住宅の機能以外にも、住む人の趣向を表すのが外観デザインと言えます。

では一つひとつの法則について、簡単に解説していきましょう。

 

①「黄金比」 = 1:1.618

〜バランスのよさを司る、自然が生んだ法則。〜

古くから、縦横の寸法に取り入れられてきた、黄金比。建物ならば、写真のパルテノン神殿やピラミッドの建築寸法(いずれも高さと底辺の1辺の長さが1:1.618)のほか、身近なもので言えば名刺がありますし、自然界にも多数存在します。人間にとって心が安定し、もっとも美しいと感じる比率と言われています。

道路から見た建物の幅、たとえば2階の幅と1階の幅の割合を、1:1.618程度にすると、バランスのいい建物に見えます。また、シノザキでは塗り壁+木など外観を2種類の素材で色分けすることもありますが、その場合、道路からみたときの色の割合を黄金比に近くすることで、安定した美しさが得られます。

写真は白い塗壁と木の壁の割合が1:1.618程度。

 

② 左右対称の法則

〜すべてのデザインの王道。〜

左右対称も、人間が美しいと感じる形です。有名なのが、インドのタージマハルでしょう。世界一美しいと言われる霊廟ですが、その美しさはどこまでも左右対称なところにあります。また、富士山を美しいと感じるときにも、左右対称への感性が働いていると言えそうです。

住宅の計画に美しい左右対称を反映させるポイントは、窓の大きさと高さを統一すること。そして、中央に玄関を配置することです。すなわち玄関は南(基本、道路が南側になります)であれば実現しやすいということになります。

 

③3つ以上の同じものを規則正しく並べる

〜規則正しく並ぶ、という気持ちよさ。〜

同じ面に2つの小窓があるというのはよく見ますが、外観のアクセントにするならば、3つ以上の小窓を規則正しく並べるという方法もあります。採光も十分に取れ、外観には軽快なリズムと独自の表情が生まれます。

写真は1階に3つの小窓、2階には5つの小窓を規則正しく並べました。2階には2つで1つの対になった窓を②の法則で左右対称に設置。

 

④直線を強調する

〜できるだけ長く連続させて、ダイナミックに。〜

軒先など屋根のラインを揃えるなどし、きれいな直線を強調すると、外観に秩序が生まれ美しくなります。なるべく途切れずに、できる限り長く連続させた直線をつくるのがポイントです。次の写真で言えば、2階部分の木の素材と塗壁のベランダのラインを合わせています。色が変わることによって直線がとぎれないよう、塗壁のベランダにもグレーがかった木の柵をつけるといったこだわりようで、横のラインの連続性をキープ。全体としては大きく2つの横軸が表現されることで、コンパクトな間口に対して、ぐんと奥行きが感じられる外観に仕上がっています。

 

⑤ワンポイントアクセント

〜センスが光る、色のアクセント。〜

外観であればポーチ柱だけを違う素材にするといったように、部分的に色が際立つ素材を使うのもおすすめです。人間は、形の効果より色の効果のほうが認識しやすいと言われています。色の使い方にはかなりのセンスが問われますが、取り入れたい色があるならば、外観にもアクセントとして提案してもらえるよう頼んでみてはいかがでしょうか。

ただし、塗料や素材を選ぶ際、カタログの色を見ただけでは実際の色味と違ってくる場合が多々あります。実物を、ぜひ屋外の環境で見せてもらって選ぶことをおすすめします。

写真はエントランスの一部に札幌軟石を使用。右側はタイルにサビを活かした鋼板でアクセントに。

 

外観デザインに関する、基本的な5つの法則を取りあげました。それでもやっぱりデザインはよくわからない、という人でも大丈夫。本屋さんで住宅雑誌を手に取ってご覧ください。いろんな雑誌をパラパラとめくっていると、「なるほど。このパターンが好きかも!」という何かが、きっと見つかるはずです。自分でアイディアを絞り出すのではなく、自分の「好き」に着目すれば、難しく考える必要はありません。

あなたは自分の「好き」なイメージを設計者に伝え、あがってきたデザインを【外観デザイン5つの法則】に当てはめてチェックするだけでいいのです。つくづくいい家だな、と思いながら、自分の家を眺める。そんなあなたの姿を想像して、ぜひ美しい外観を手に入れてください。

 

なお、外観デザインの基本的な形を決定づけるのは、住宅プランです。プランを考えるにあたっては重視したいポイントについて記載した、【住宅図面の見方】失敗しない家づくりのコツは、人が歩く幅にあり。も、ぜひご覧ください。

 

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