家づくりコラム

【美しいインテリア】 意外と知らない?!無垢材の、お手入れ方法とその魅力。

お手入れがたいへんだとか、傷が心配だとか、なにかと面倒なイメージがあって嫌われがちなのが、無垢材です。とくに床材となると、掃除の負担が大!と思う方も多いのではないでしょうか。それに比べて高性能な加工材は、傷に強く、いつまでも美しさが保たれると言われています。わざわざ無垢材にこだわる必要はないように思えますね。

しかし今、この無垢材を、住宅に取り入れたいと考える人が増えています。今回は、知られざる無垢材の魅力に迫ってみたいと思います。

(メインの写真は、25年以上経って味わいが増した、古いヨーロピアンオーク。お肌が敏感なペットも、無垢材の上がお気に入り。)

 

本物の素材に、自然な仕上げを施して使う。

木は、切ったり成形したりといった加工の後でも、まるで生きているかのように変化します。じめじめとした夏には湿気を吸収してくれるので、室内の空気はさらりとし、湿気を吸収した床はひんやり涼しく感じます。また乾燥する冬には湿気を放出し、カラリとした床材がふんわり暖かく感じます。

呼吸をしているかのような、こうした木の変化を、調湿作用といいます。できるだけ大きな面積に無垢材を使用することで、調湿作用が室内に影響する割合が高くなります。たとえば水回りを除いたフロア全体に無垢材を使えば、季節を問わず、適切な湿度と言われる50〜60%程度の維持が期待できます。

無垢材は、オイル系のワックスで仕上げるのがおすすめです。蜜蝋など自然素材を100%使用しているものも多く、アレルギーのある方、赤ちゃんやペットのいるご家庭などでも安心です。雑巾でワックスを塗り込むだけなので簡単です。お子様といっしょに塗布するのもいいでしょう。

なお、一般的な木部用合成(樹脂系)ワックスは、塗ると木の調湿作用が弱まり、室内の空気を汚すこともありますので注意が必要です。また、住宅メーカーによってオプション設定されている無垢の床材が、完全にコーティングされた仕上げになっているということもあります。つまりピカピカで傷がつきにくく、お手入れしやすいのですが、木の風合いや肌触り、調湿作用も期待できません。せっかく無垢材を導入しても、そのよさを味わえないとは残念ですね。

 

無垢材のワックスがけは1〜2年に1度でOK。

無垢材はお手入れがたいへんだと、思い込んではいませんか?じつはワックスの再塗布は1〜2年に1度でOK。寝室やクローゼットなどの床は、3年に1回程度。リビング・ダイニングなどの気になる部分だけ毎年塗布するというご家庭もあります。 しかしこれも最初の数年間だけ。10年以上経って自然なツヤや風合いが増してきたら、3〜4年に1度でも十分と感じるようになるでしょう。

 

日頃のお手入れも簡単です。水拭きはNGなので、ふだんは掃除機のみ。食べ物などベタつくものを落としたときには、いったん乾拭きしてから天然由来の洗剤、オレンジやココナッツオイルなどを使ってふきとりましょう。汚れが落ちやすく香りもいいのでおすすめです。

 

無垢材は、傷が心配?

傷が心配という声も多く聞かれますが、無垢の傷は補修できます。しかし大きな傷でない限り、経年によって次第になじんできて、いい味わいになることもあります。傷をつけてもあわてず、しばらく様子を見るといいでしょう。

 

ちなみに一般的に普及している合板+プリントシートの耐傷性の床材(傷つかない・ワックス不要)は、お手入れ要らずでキレイを保てると謳っていますが、硬く冷たい印象はぬぐえません。長年使ううちに表面のプリントがところどころ剥がれて見ために悪くなると、張り替えの検討が必要になる場合もあります。合板フローリングの傷や剥がれは直しようがなく、残念ながら張り替えになる可能性もあると言わざるを得ないでしょう。

 

たっぷりの無垢材に包まれる、深呼吸したくなる家。

以前は室内の材料を統一し、すべて一色!というようなインテリアが主流でした。メーカーが大量に同じ木材を調達し、たくさんの住宅に使用していくので、選べる素材も限られていたということもあります。しかし、造作家具に違った素材を用いたり、要所要所で気に入った無垢材を使ってメリハリのある空間をつくるのも楽しいものです。

たとえば同じ大空間でも、一部床材を変えたり、木目の方向を変えたりすることで、空間をさりげなく区切ることもできます。

無垢の存在感を際立たせるなら、「アラワシ」といって、あえて天井の構造梁を見せるようデザインする方法もあります。さらには巾木・窓台・カウンター・笠木などの造作材にも無垢材を採用すれば、木の素材に包まれるような暮らしが実現します。

シノザキ建築事務所では、SDGsの観点から、エネルギーの地産地消を叶える低エネルギー住宅「ラディアント・サーキュレーション住宅」の普及をめざしています(ラディアント・サーキュレーション住宅については、【低エネルギーで快適な家】薪ストーブ1台で、家中あたたかく。 もご覧ください)。家そのものが冷暖房の熱を伝える装置として働き、家中の空気が大量にゆっくりと動いて輻射熱を効率よく伝えるという仕組みです。

この冷暖房システムは、空気がきれいなことが大前提となります。珪藻土の塗り壁は、空気をきれいにしてくれます。空気の通り道を床下(土間)につくり、そこに珪藻土を塗布すれば、きれいな空気が家全体をめぐります。また珪藻土には、無垢材と同様に調湿作用もあります。自然な風合いと色で、無垢材との相性がとてもよい素材です。

加工したものではありますがタイルやレンガも、もとの素材である土や粘土の風合いが楽しめます。モルタル、鉄などの金属も、無垢材と相性のいい素材です。

 

まるで呼吸するかのような、不思議なパワーをもつ無垢材の魅力、おわかりいただけましたか。あなたもぜひ、無垢材を暮らしに取り入れて、体にも、心にも、快適な家づくりに挑戦してみませんか?

自然素材にこだわる家づくりのコンセプトを掲載した、「シノザキの家づくり」も、あわせてご覧ください。

 

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