【100年以上快適な家】
「メンテナンスコスト」と「ランニングコスト」のお話

建築時には見えていない、その後のメンテナンスコストやランニングコスト。

家を建てて終わりではない、その後10年20年単位でかかるコストについても、しっかり考えていかなければいけません。住まいこそ長い目で見て、メンテナンスを行いながら100年以上快適に過ごせる家をめざすべきではないかと考えるからです。

 

家にはメンテナンスがつきもの。

メンテナンスコストが大きなものとして、高性能設備機器の入替のほか、 サイディングなどの場合は、外壁の修繕が必要になるケースが多くみられます。必要以上に高性能な機器を導入すると、機械は壊れやすく、買い替え費用もばかになりません。

そのような状況を回避すべく、シノザキでは、できるだけシンプルな仕組みの機器等をおすすめしています。また、外壁の修繕対策としては、長期間メンテナンスフリーの外壁を推奨しています。例えば防護保持剤を浸透させたスギ材。経年でシルバーグレー色になっていく変化を楽しむことができます。塗装ではないので、再塗装の必要もありません。メンテナンスコストを抑えるだけではない、『経年変化も味わいになる家づくり』をおすすめしています。

以下参考写真:住宅新築の数年後に、住宅手前に物置増築した例

 

北海道で大きく費用がかさむのが、暖房費。

昨今では、夏の冷房費も多くかかるようになりましたね。ここでは、シノザキで設計・施工した住宅を、ラディアントサーキュレーション(RCS)住宅(*1)で、冬場の暖房費を比較してみました。

 

【暖房設備の違いによる暖房費の比較】シノザキ建築事務所設計・施工住宅による検証

ペレットストーブの場合  (燃料代¥15,000/ +電気代¥1,500)×5 ヵ月
薪ストーブの場合   ①すぐに使える薪を普通に購入する場合:年間¥150,000/4~5 m3

労力をかけて薪を入手した場合:年間約¥70,000/45

端材を入手するルートの確保や、公園や山林で伐採した木の領布会を利用で、薪代を安く抑えることができます。切ったり運んだりと、かなりの労力も必要ですが、家族で楽しみながら薪の準備ができればよいですね。かけた労力分、節約にはなるでしょう。なお、シノザキには、安い薪を入手するルートを開拓したり情報を共有する「薪の会」があります。薪活はとても大切です。

スラブヒーター の場合   灯油又はガス代・電気代 約¥150,000~¥200,000/年間 約5ヵ月稼働

 

こう見るとストーブの家が暖房費を断然安く抑えられます。

シノザキの家の強みは、ストーブ1台で家の隅々まで少ない温度差、むらなく暖まること。

高性能の家じゃなければ、これだけで全館暖房というのは成り立ちません。

通常、ストーブまわりだけが高温になって、1階の奥などは寒く、補助暖房が必要な状況になります。これを特許を取得したラディアントサーキュレーション(RCS)とプランを一工夫することで、全館暖房を実現しているのがシノザキの家です。

ラディアントサーキュレーション(RCS)の仕組みは、暖まった空気、冷えた空気を家じゅうに巡らせて無駄なく使い切る、という節約重視の考え方です。最近は全館空調という仕組みを採用する住宅会社さんも増えてきているようですので、後日あらためて、ラディアントサーキュレーションとの違いについて説明していきたいと思います。

他社さんでは、セントラルヒーティングでパネルヒーター設置、エアコン暖房、FF ストーブなどがあります。高性能エアコン1台で全館暖房とうたっている会社もあれば、エアコンとセントラルヒーティングの併用をするなど、会社の特色によってさまざまです。なにせ新築なのに寒い、という家もあるそうですし、そうなったら大きなエネルギーでガンガン機器を稼働させて暖めるしかありません。

家が暖かいのは、基本です。

しかし、本当に快適な暖かさかどうか、もっと検討してほしい。

エアコンの温風は体感的に好きではない、という方も多くいらっしゃいます。エアコンは便利ですが、躯体(住宅の構造体)を蓄熱するほど芯まで暖まる感じが少なく室温は高めに設定する場合が多いようです。実際、輻射暖房は体感温度が高くなるので室温は低めに抑えても快適です(21~22度)。

ランニングコストを抑えることができて、その上さらに快適、という冷暖房が一番です。生活スタイルや家族構成なども考慮した最適な仕組みを検討しましょう。

一般的にはランニングコストとメンテナンスコストを抑えていこうとすると、イニシャルコストは上がりやすい傾向にあります。
それでも10年程度で回収できる太陽光発電(今は電気代が上がるのでもっと短期間)などは、やはり導入をおすすめします。光熱費の月々の支払いが少なくなるうえに、10 年後の大きな出費も抑えられるのであれば、そのほうが嬉しいだけではなく、住んでいても快適なはず。シノザキ建築事務所が目指す、住んでからのランニングコストやメンテナンスコストが安く、エネルギーを無駄にしない家。これがシノザキの考え方です。

そして家づくりのスタートで一番大切なのは「資金計画」が重要です。土地が安くなってきたかもしれない、とあわてて購入を決めるのではなく、土地にいくらかけられるのか、自分たちが建てたいと考えている会社の建物で、想定される坪数だとどのくらいの金額になるのか、ライフシミュレーションなどをしながら、調べておくのがよいでしょう。(弊社トピックスの2021,4,28の記事をご参照ください)
その上で建築会社として、精一杯お手伝いをさせていただきたい、と考えています。

 

(*1)シノザキ建築事務所が開発した、輻射熱を利用し経済的で快適な低エネルギー空調システム。2020.7.14に特許申請/2023.5.29特許認定。

シノザキの低エネルギー住宅について、詳しくは「3LOWの家づくり」もご覧ください。

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